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落語会に行ってきました [日記]

四月二十二日(土)
東京のお大手町「日経ホール」に第四十二回『大手町落語会』を聞きに行ってきました。演者と演目は以下の通りです。

落語会.jpg
画像はフリー素材です

柳家小はぜ 『浮世根問(うきよねどい)』
【あらすじ】知らないことはないという隠居のところに、八五郎がやって来て、「がんもどきの裏表は?」をはじめとして、次々に質問をしていく。「婚礼のことを、よく嫁入りと言いますが、女が来るんだから、女入りとか娘入りと言うべきだ」と言うと、「それは男の方に目が二つ、女の方に目が二つ。それを合わせて『四目入り』だ」。「鶴は千年亀は万年と言うけれど、鶴亀が死んだらどこへ行くんです?」「めでたいものだから極楽へ行く」「極楽てぇのはどこにあるんで?」「地獄の隣だ」「地獄はどこにあるんで?」と質問が続くので、隠居は「極楽はここだ」と仏壇を見せる。「死ぬと、ここへ行けるんですか?じゃあ鶴亀も極楽へ行って仏になれますか?」「ああいうものは畜生だから仏にはなれない」「何になるんです?」「この通りロウソク立てになる」。(古典・新作 落語事典,滝口雅仁,平成二十八年,丸善出版株式会社)

落ちがよく分からないですね。私は見たことがありませんが、亀の背中に鶴が乗りその鶴にロウソクを立てる燭台があったのだそうです。


柳亭市馬(四代目) 『蒟蒻問答(こんにゃくもんどう)』
【あらすじ】上州安中でこんにゃく屋を営んでいる六兵衛のところで厄介になっている八五郎が、遊んでばかりもいられないからと寺の和尚になった。ところが経を読める訳でもなく、日がな一日、寺男の権助を相手に酒ばかり飲んでいる。そんあある日、越前国永平寺の沙弥托善(しゃみたくぜん)という諸国行脚雲水の僧が、禅問答を申し込んできた。八五郎に問答なんかできる訳がなく、夜逃げをしようと相談しているところへ現れたのはこんにゃく屋の六兵衛で、ならば自分が和尚になって問答の相手をしてやろうと言い出した。翌日、托善がやって来て、色々と問いかけるが、六兵衛は黙っているばかりなので、これは無言の行中と判断し、托善がまず両の手の人差し指と親指で丸をこしらえて前に突き出した。すると六兵衛はそれを見て、両の手で大きな丸を描くように頭の上にかざすと、托善は平伏。次に開いた両の手を前に突き出すと、六兵衛は片手を広げて出してみせて、それを見て、またも平伏。最後に指を三本出すと、六兵衛は人差し指を目の下にあてた。托善はとてもかなわない相手と言って逃げ出そうとするので、托善に尋ねると「大和尚のご胸中はと尋ねましたところ、大海の如しというお答え。十万世界はと聞けば、五戒で保つ。最後に三尊の弥陀(みだ)はと問えば、目の下にありとのお答え」と言って出た行った。片や六兵衛は大層怒っているので、話を聞くと、「あいつは乞食坊主だ。俺の商売を知ってやがって、お前んとこのコンニャクはこんなに小さいだろうと言うから、こんなに大きいやって答えたら、十丁で幾らだ?って値を聞いてきやがった。五百だって答えたら三百に負けろって値切りやがったから、アカンベー」。(古典・新作 落語事典,滝口雅仁,平成二十八年,丸善出版株式会社)

こんにゃく屋の六兵衛は江戸では親分と言われるくらいの人だったが、上州安中でこんにゃく屋をやっています。この落語は仕草が落ちになっていますので、生あるいは映像で見ていただきたい話しです。
今回は美声の落語家柳亭市馬師匠が、肩ひじを張らずにさらりと演じて見せてくれました。


柳家さん喬 『井戸の茶碗(いどのちゃわん)』
【あらすじ】麻布の谷町に暮らす正直者で知られる屑屋の清兵衛がある裏長屋を通りかかると、千代田卜斎(ちよだぼくさい)という浪人から屑の他に仏像を引き取ってくれと言われたので二百文で買い取る。仏像を笊(ざる)の中に入れ、白金の細川家の窓下を通ると、高木作左衛門(たかぎさくざえもん)という侍が目を止め、大層気に入ったので三百文で買い求める。作左衛門が仏像を磨いていると、台座がはがれて中から五十両の小判が出てきた。作左衛門は屑屋が再びやって来るのを待ち受け、訳を話して五十両を相手方に返すように言うので、屑屋が卜斎のもとを訪ねると、卜斎は一度手放した物は自分のものではないと言って頑として受け付けない。困った清兵衛が家主に相談をすると、卜斎に二十両、作左衛門に二十両、間に入った清兵衛に十両という案を出してきた。ところが卜斎がそれでも受け取らないので、何かを作左衛門に差し上げたらいいと提案をすると、卜斎はいつも茶を飲んでいる薄汚い茶碗を作左衛門に渡すことにする。正直者同士の話を聞いて感心した細川の殿様が茶碗を見てみたいと言うので、茶碗を磨いて差し出すと、それは井戸の茶碗という名器であることが分かり、作左衛門から三百両で買い上げた。困った作左衛門は屑屋を呼んで、先例にならい半分の百五十両を卜斎に渡して来いというが、やはり卜斎は受け取らない。だが、作左衛門が独り身であるなら、娘を嫁に差し上げたいと言う。それを聞いた作左衛門は卜斎の娘であれば間違いないと、嫁にもらうことにする。それを聞いた屑屋が安心をして「今は汚い身なりをしていますが、あれで磨いてごらんなさい。たいした美人になりますよ」「いや、磨くのはよそう。また小判が出るといけない」。(古典・新作 落語事典,滝口雅仁,平成二十八年,丸善出版株式会社)

三人の正直者が主な登場人物です。途中はハラハラドキドキさせられますが、何回聞いても聞き終った後にとても爽やかで良い気持ちになります。ただし、それは井戸の茶碗を演じる力量のある落語家が演ずる井戸の茶碗でなければなりません。


桂文治(十一代目) 『平林(ひらばやし)』
【あらすじ】小僧の定吉が主人から、平林さんの家に手紙を届けるように言われる。どこへ行くのか忘れないように「ヒラバヤシさん」と口の中で唱えて出掛けたが、夢中で歩いているうちに途中で巡査に呼び止められ、「道は青歩きの赤止まりだ、言ってみろ」と言われ、それを繰り返しているうちに名前を忘れてしまう。そこで歩いている人に宛名を読んでもらうと、「タイラバヤシ」と読んだり、「ヒラリン」と読んだりする。どうも違うように思うので、また尋ねると、今度は字を崩して「イチ(一)ハチ(八)ジュウ(十)のモクモク(林)」、さらには「一つに八つにトッキッキ」と読まれてしまう。定吉は仕方ないので、「タイラバヤシかヒラリンか、イチハチジュウのモクモク、一つに八つにトッキッキ~」と声を張り上げながら歩いていると、知り合いが声を掛けて、「気でも違ったのか?」「いいえ、字が違うんです」。(古典・新作 落語事典,滝口雅仁,平成二十八年,丸善出版株式会社)

小僧の定吉は無筆という設定です。ただ、ヒラバヤシという名前を覚えられない定吉が「タイラバヤシかヒラリンか、イチハチジュウのモクモク、一つに八つにトッキッキ~」は覚えていて、声を張り上げながら歩くという設定に無理があります。


柳家權太樓(三代目) 『唐茄子屋政談(とうなすやせいだん)』
【あらすじ】若旦那の徳三郎は道楽が過ぎて勘当になってしまう。頼りにしていた吉原の女や知り合いのところからも追い出され、飲まず食わずで過ごしているのも辛くなり、吾妻橋(あづまばし)から身を投げようとしたところを、通りかかった伯父に助けられる。伯父は徳三郎の性根を叩き直すべく、翌日から唐茄子の荷商いをさせることにする。慣れない天秤棒を担いで歩いていると、真夏の炎天下のことで道端で倒れ込んでしまうが、おせっかいな男が顔見知りに声を掛けては、二つだけ残して唐茄子を売り捌いてくれた。気を良くした若旦那は吉原田圃(たんぼ)までやって来ると、売り声も出るようになったので、そのまま誓願寺店(せいがんじだな)までやってくると、一人の女性から唐茄子を一つ売ってくれと声を掛けられた。若旦那が一つおまけして、弁当をつかおうとすると、奥から出て来たその家の子どもが弁当を欲しがった。事情を聞くと、浪人をしている夫が行方知れずで、もう二日も子どもにご飯を食べさせていないという。食べられないことの辛さを知っている若旦那は弁当と唐茄子の売り上げを置いて飛び出してしまう。伯父の家に帰って来た若旦那は、今日あったことを告げるが、伯父は信用をせずに誓願寺店までやって来る。すると長屋では浪人者の女房が首をくくったと大騒ぎになっていた。なんでも若旦那が置いて行った財布を返そうと、外に出たところで因業大家に出くわして取り上げられてしまったので、若旦那に申し訳ないと首をくくったというのだ。それを知った若旦那は大家の家に飛び込む。女房は発見が早く、手当も良かったと見えて助かり、大家はきついお咎めを受け、若旦那の勘当も許される。(古典・新作 落語事典,滝口雅仁,平成二十八年,丸善出版株式会社)

唐茄子というのはカボチャのことです。
長い話しなので終いまで演じない方もいらっしゃいます。今回、柳家權太樓師匠は最後まで演じてくれました。大熱演に粋田化石の目もウルウル、聞きほれてしまいました。

落語会.png
画像はフリー素材です



大爆笑の渦の中、後ろの席からは鼾(いびき)が聞こえてきました。深き春の落語会らしい光景でした。


春深き落語の会に鼾かな 粋田化石


【 春深し はるふかし 】  春はる 闌た く  春はる 更ふ く (季春)
桜も散って、風物の様子にどことなく春も盛りを過ぎたと感じられるころをいう。
(角川合本俳句歳時記第四版)


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コメント 6

馬爺

古典でも小話が多いようですね。
by 馬爺 (2017-04-24 13:27) 

粋田化石

馬爺さま、有り難うございます。
馬爺さまは、落語にご興味はありませんか?
笑いは健康に良いらしいです。
by 粋田化石 (2017-04-25 12:39) 

えくりぷす

豪華なメンバーの落語会ですね。
大ネタが多いので眠っちゃったのかな。
by えくりぷす (2017-04-26 13:14) 

粋田化石

えくりぷす様、有り難うございます。
そうですね、井戸の茶碗と唐茄子屋政談は、オオネタの大熱演でした。
軽井話しで爆笑の連続の方が眠くならないかもしれません。
by 粋田化石 (2017-04-26 16:04) 

馬爺

落語は大好きですよ特に人情ものがいいですね。
by 馬爺 (2017-04-27 11:11) 

粋田化石

馬爺さま、有り難うございます。

そうでしたか。
落語の記事を増やしたいのですが、聴きに行く機会が少ないのでそうもいきません。
by 粋田化石 (2017-04-27 13:32) 

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